企業研究とは<目的と大前提>
企業研究とは、研究対象とした企業に関する情報を集め、分析し、自分に合っているかどうかを見極める行為です。
企業研究の目的
企業研究の目的は大きく2つ。
- 研究対象企業と自分の相性の確認
- 研究成果を武器にした内定確率の向上
両方とも自分自身のために
おこなうべきもの
研究対象企業と自分の相性の確認
企業研究の目的の1つ目は、「自分の企業選びの軸」にその企業が沿っているか確認するためです。
自分の企業選びの軸 | 研究(チェック)項目 | |
例1 | 長時間労働がイヤ |
|
例2 | プライベートを充実させたい |
|
例3 | とにかくお金を稼ぎたい |
|
自分の軸に沿っているかに
ついてチェックすることで入
社後のミスマッチを防げるよ
面接官に聞きづらいことこそ、しっかり自分で調べることが重要です。
研究成果を武器にした内定確率の向上
企業研究の目的の2つ目は、面接などで研究成果を上手にアピールすることで内定確率を上げるためです。
ポイントを押さえた企業研究を深くすることで「この人は入社意欲が高い」と面接官に感じてもらえます。
もうおわかりだと思いますが、企業研究をしっかりすることで以下のメリットがあります。
企業研究をするメリット:
- 入社後のミスマッチ防止
- 内定確率を上げる
ゴールなし!?企業研究の大前提
意義のある企業研究を進める上で知っておいてほしい前提があります。
- 業界研究と区別しすぎない
- 企業研究は質が大切
- 企業研究にゴールはない
順番に解説します。
企業研究と業界研究を区別しすぎない
企業研究と似た言葉に業界についての情報収集を行い、自分が興味を持てる業界を探す「業界研究」があります。
業界研究と企業研究は分けて考える必要はありません。
業界を調べれば、必ずその業界内の企業が登場します。
逆に、企業を調べれば、必ずその企業が属する業界の動向に行き当たります。
「企業研究」と「業界研究」は
切っても切り離せないので
まとめてやってもOK
かけた時間よりも質が大事
企業研究をした時間よりも、調べた結果得られた情報や研究ポイントなどの”質”の方が大切です。
どんなに時間をかけても、以下のような企業研究では面接通過は不可能です。
- 企業研究が浅い
- その他大勢が知っている情報の取得
- 研究ポイントがズレている
企業研究には
「○○時間やったから終わり」
という基準はないよ
「ここまでやれば終わり」というゴールはない
企業研究にゴールはありません。
面接のその日まで調べることは可能ですし、最新の情報を取得し続ける必要があります。
志望度の高い企業ほど、
その企業について多くの
情報に触れるようにしよう
面接で有効活用できる企業研究方法とポイント
企業研究をしすぎてもしすぎることはありません。
とはいえ、時間は限られていますし、ポイントを押さえたやり方をしないと非効率です。
そこで以下の観点で面接で使える企業研究のポイントを解説します。
- 面接で聞かれるor話題になる可能性がある
- 把握しておくと面接で有利になれる
- 「志望度が高い!」と思ってもらえる
社員紹介ページのインタビューをよく読む
会社ホームページの『社員紹介コーナー』や採用ページの『社員インタビューコーナー』にはしっかり目を通しましょう。
外部向けに公開されているということは、その企業にとっての「理想の社員の1人」ということ。
少なくとも
「ダメな社員」は
掲載されないよ
実際、企業の採用マニュアルの望ましい人物像の項目に「採用ページに掲載されている社員みたいな人」が書いてあるのを何回か見たことがあります。
とくに、以下のように参考にできそうな点に注目しましょう。
- 醸し出すイメージ(ルックス/着ているもの)
- 仕事への姿勢や考え方
外見は難しいかもしれませんが、
アピールする強みや長所を
考える際の参考になるよ
できるなら紹介されている社員をOB/OG訪問しよう
このため、社員インタビューに答えている社員をOB/OG訪問するのが正解。
その人の特徴や考え方を取り入れた上で面接にのぞめば、自動的に評価が高くなる傾向にあります。
とはいえ、ピンポイントで
特定の社員と会うのは
ハードルが高いかも…
裏技ですが、OB/OG訪問した人にホームページで紹介されている社員を紹介してもらうという方法もあります。
企業の最新情報はニュースから
「企業研究にゴールはない」という理由がコレです。
以下のように常に企業に関する新しい情報は出続けます。
- 新商品発表
- 決算について
- 合併や不祥事
志望度が高い企業のニュースは常に把握しておきましょう。
企業によっては、面接時に
その日のニュースについて
質問されることもあるよ
志望企業についての情報収集には「Googleアラート」がおすすめです。
指定のキーワード(企業名など)を登録しておけば、自動で情報をお知らせしてくれます。
株価からも企業研究はできる
志望企業の株価を日々チェックしておくのもおすすめです。
大きく株価が変動したときには、何かしらその企業についてのニュースや出来事があります。
サービス/製品を使い倒す
志望企業の製品やサービスは使い倒しましょう。
実際にお金を払って手に取ることで、よい部分や改善点などに気づけます。
企業向け(BtoB)の事業でも
調べれば情報はあるので
チェックするようにしましょう
なお、サービス/製品を使う際は「消費者目線」ではなく、以下のような「提案者目線」を持ちましょう。
- 改善できることはないか?
- もっと売るには?
- もっと知ってもらうには?
なお、とくに志望企業の
製品は面接で役立ちます。
詳しくは、「面接通過に必須!99%の学生が持っていかない志望企業の製品/サービス」をご覧ください。
経営計画に目を通す
志望企業の経営計画に目を通しておきましょう。
経営理念や会社概要を
見るよりもその企業が目指す
方向性が把握できます。
「今後の計画に対してあなたの強みがどう生かせるのか」などに言及できると面接での説得力が倍増します。
社長/役員について調べる
企業そのものについて調べるばかりが企業研究ではありません。
その企業の社長(できれば役員も)についてもできる限り情報を得るようにしましょう。
- 日々のSNS(FacebookやTwitter)での発信
- 経歴(出身企業や何代目かなど)
こうした情報を頭の片隅にいれておくと、例えば志望度が高いことをアピールできる以下のような質問が可能になります。
SNSでの発信を見て… | 本日「○○」と発信されているのを見たのですが、具体的にはどういうことでしょうか? |
SNSでの発信を見て… | 釣りがご趣味かと思いますが、実は私も釣りが趣味で… |
経歴から… | 前の会社からどのような経緯で創業したのでしょうか? |
実際、雑談形式の最終面接では、「社長と趣味が同じということで意気投合し内定獲得した」という話は本当によく聞きます。
最低限社長と副社長の名前は言えるように
最低限、社長と副社長の名前は読めて、書けるようにしておきましょう。
抜き打ちで社長や副社長の名前を聞かれるケースもあります。
社長が尊敬されていたり、
大きな力を持っている企業に
多いパターンです。
理解しやすい企業研究の方法
「志望企業の研究をしていてもイマイチ頭に入ってこない…」というケースがあります。
そんな方におすすめの”最初のとっかかり”にしやすい企業研究の方法を解説します。
比較する
志望企業A社の企業研究につまづいてしまった場合、ライバル会社にあたるB社と比較してみましょう。
- 経営理念
- 事業内容
- 主力製品
上記のような観点で比較することにより、両社の差が際立ちます。
結果、A社の強みや
業界での立ち位置が手に
とるようにわかります。
市場の将来性や新分野への取り組み
企業研究では、今の事業内容など現状に目がいきがちになります。
それだとどうしても研究の
観点が狭まるし、その他大勢と
同じことしか言えない…
そこでおすすめなのが、その企業が属する市場の将来性や新分野の取り組みに目を向けること。
例えば、食品メーカーを志望するとします。
この場合、次のような新しい分野への取り組みにも目を向けてみるとこれまでと違った視点が養えます。
- 工場でのAI活用
- 今後の加工食品
海外展開
日本の企業だからといって、市場は国内に限りません。
とくに、海外に興味があるなら、その企業の海外展開についても調べましょう。
- どのような事業を展開しているか
- 海外事業の計画
- 海外展開の狙いはなにか
上記のようなポイントを
把握しつつ、不明点が
あれば質問してみよう
非上場企業でIRなどの情報がわからない場合は直接電話という手も
どうしても知りたいことであれば、直接メールや電話をかけて聞くというのもありです。
- お問い合わせ窓口にメール
- 代表番号に電話
この際、2パターンの学生がいます。
- 一般消費者のフリをする
- きちんと名乗り企業研究の一環であることを伝える
一般消費者のフリ | きちんと名乗る | |
メリット | 丁寧な対応をしてもらえる可能性が高い | 入社意欲を評価され、選考で有利になることもある |
デメリット | 後々バレた場合に悪印象になる可能性がある | 非常識だと判断された場合、選考で不利になることもある |
どちらも一長一短あるし、
そもそも回答して
もらえないことも多い
しかし、そこで得られたクローズドな情報にはとても価値があります。
企業研究に役立つのはもちろん、みんなが知らない情報であればあるほど企業研究の深さを評価してもらえます。