この記事を読めば、ESに書いた志望動機をムダしない面接対策ができるようになります。
面接で志望動機を聞かれる理由
まず最初にESでも志望動機を書き、面接でも志望動機を聞かれる理由解説します。
理由は主に次の3つ。
- 志望動機の深堀り
- 入社する可能性の見極め
- 自社に見合う人材かどうかの見極め
志望動機の深堀り
1つ目の理由は、自社を志望する動機を深堀りするためです。
同じ志望動機でもESだと
文字制限があるから
上辺しかわからない…
このため、面接官は面接であらためて動機をヒアリングし、志望理由を深堀りするのです。
入社する可能性の見極め
2つ目の理由は、あなたがその企業に入社するかを見極めるためです。
志望動機が十分だとしても、面接を受けた人が「本当にその会社に入社するか」は別問題。
そこで、企業側はさまざまな聞き方で「入社するレベルの志望度があるか」を見極めてきます。
採用活動にはお金も
かかるため、企業側も
慎重に見極めてくる
自社に見合う人材かどうかの見極め
最後の理由は、自社に見合う人物であるかどうかジャッジするためです。
入社意欲は高くても「動機が自社にふさわしくない」と判断された場合、採用は見送られます。
志望動機の内容は
もちろん、その質も
みられている
ESに書いた志望動機と面接で言う志望動機の違い
一口に「志望動機」と言っても、ESと面接では以下の点で違いがあります。
ES | 面接 | |
伝え方 | 文字 | 会話 |
聞かれ方 | 志望動機記入欄 | 面接官によってさまざま |
コミュニケーション方向 | 一方通行 | 双方向 |
情報量 | 少ない ESに書いた文字のみ |
多い 発言内容に加え態度や表情 |
情報変更 | × 記載内容が全て |
○ 追加/変更/補足が可能 |
このため、ESに書いた内容を暗記して繰り返すだけだと、いくら志望度が高くても面接官には伝わりません。
また、会話の中で志望動機を確認されている場合もあります。
「面接での志望動機の聞かれ方」は後述します。
「志望動機は何ですか?」
とストレートに質問して
くれるとは限らない…
志望動機はいくつあってもよい
志望動機は以下のようにいくつあっても構いません。
- 理念に共感したから
- 海外で働けるから
- やりがいある仕事ができそうだから
- 社員の人がかっこよかったから
- 福利厚生がよいから
- 給与体系が魅力だから
もちろん福利厚生や給与面などはあまり前に出さず、「その会社でどのような仕事をして、どうなりたいのか」を軸に伝えた方が印象はよいです。
文字制限のあるESは
メインの志望動機に絞り
記載するのがおすすめ
面接ではESに書いたことと違うことを言っても問題なし
面接ではESに書いたことと違うことを伝えても問題ありません。
なぜなら、双方向のコミュニケーションができる面接では、情報の追加/変更/補足が可能だからです。
ESに書いたことが主軸に
なるけど、以下のように
伝え方を工夫すれば大丈夫
志望動機を複数伝えたい場合
「まずは1つ目ですが…」
繰り返しになりますが、面接は双方向コミュニケーションです。
面接突破できるかに
志望動機の数は関係なし!
その内容や伝え方が重要!
ESに書いたことと違うことを伝えたい場合
この伝え方であれば、継続して企業研究をしていたこともアピールできます。
ESの内容をそのまま
伝えるよりも、逆に
面接官の印象が上がる!
面接官が納得でき、しっかりコミュニケーションが取れるのであれば、ESに書いた内容と違うことを伝えてもまったく問題ありません。
むしろ印象がアップする可能性すらあります。
面接での志望動機の答え方/伝え方
必死で考えた志望動機。
しかし、面接での伝え方を間違えれば、その熱意の1%も伝わりません。
むしろ、悪印象になる
可能性すらある…
面接で志望動機を伝えるときに絶対におさえておきたいポイントは2つ。
- 志望動機は結論から話し始める
- 「入社したい」とハッキリ言い切る
志望動機は結論から:「私が御社を志望する理由は~」
志望動機は、次のように結論から言う方がメリットが大きいです。
結論から話すことで以下のようなメリットがあります。
あなたのメリット | 面接官のメリット |
会話の始め方に迷わなくなる | 速いレスポンスがもらえる |
面接官が聞いていることにまず回答できる | 聞きたいことの結論を聞ける |
結果、「志望動機という最重要メッセージをしっかり伝えられる人物」という評価を得ることができます。
志望動機に限らず、
面接では聞かれたことに
対して結論から話そう
「御社に入社したい/貢献したい」とハッキリ言い切ること
もう1つ外せないのが、志望動機を伝えるときに「入社をしたい」と言葉にすること。
採用活動にはコストがかかります。
このため、同じ能力の人であれば入社可能性の高さを明確に示せる人の方が内定確率が上がります。
志望度は言葉だけでなく、
「入社したい」という
前向きな態度でも伝わるよ
面接での志望動機の聞かれ方
その企業を志望する理由について、ESなら志望動機欄に書けば済みます。
しかし、面接では「志望動機を教えて下さい」以外にも様々な質問のされ方で志望動機を確認されています。
次のような質問はすべて
志望動機を聞かれている
と思っていい
- 他にどのような業界の会社を受けていますか?
- 他業界ではなくこの業界を志望する理由は何ですか?
- 企業選びの軸を教えて下さい
- あなたにとって「働く」とは何を意味しますか?
- この会社で成し遂げたいことは何ですか?
- この会社でどのような仕事がしたいですか?
- こうなりたいという社会人像はありますか?
- キャリアビジョンを教えて下さい。
- 5年(10年)後にどうなっていたいですか?
- 他社の選考状況について教えて下さい
- もし内定を出したら、ご入社頂けますか?
【事例解説】選考通過したESの志望動機の伝え方と回答例
実際に選考を通過したESの事例をもとに、面接でどのように伝えるべきなのかについて解説します。
以下がES記載の内容です。
私が御社を志望する理由は、御社が掲げる「○○」という理念に魅力を感じたからです。
コールセンターのアルバイトを通して、信頼してお話を聞いて頂くことやこちらの言うことを納得いただくことの大変さを痛感しました。
接点が何もないところから信頼関係を築くことは大変です。
しかし、一度失ってしまった信頼を取り戻すことの方が更に難しいと思いました。
こうした経験があり、御社の「顧客を大切にする」という姿勢に感銘を受けました。
御社の一員として、お客様と相対する業務の責任を背負い、お客様から選んで頂けるような人材になりたいと考えております。
そのために私は新規開拓の営業業務に携わり、まだ御社の魅力に気づいていない顧客との接点になりたいです。
御社であれば、自身の強みである交渉力を存分に活かしたいと考えております。
(実際は350文字)
面接での志望動機の言い方/伝え方
上記ESをもとに実際の面接でどのように伝えるべきかを解説します。
大前提として、ESに書いた内容を丸暗記し、そのまま読み上げるのはNGです。
ESに書いた情報を
そのまま伝えるなら
面接をする意味がない…
それでは順番にみていきます。
まずは志望動機を結論から伝える
まずは結論から話し始めましょう。
ESも結論から
書いてるからこのまま
伝えても問題ないよ
面接では必要に応じて補足する
ESでは突然コールセンターのアルバイトの話が始まります。
しかし、面接では補足が
できる!例えば、以下
のように補足してみよう
志望動機とそのきっかけとなったアルバイトの関係性が整理できるので話がわかりやすくなります。
面接ではより具体的なエピソードを話す
接点が何もないところから信頼関係を築くことは大変です。しかし、一度失ってしまった信頼を取り戻すことの方が更に難しいと思いました。
面接官は、具体的にはどんな出来事があってこのように思ったのか気になるハズ。
「このため、こちらに非がない場合は相手の話を聞くよう努めました。」
「非がある場合は、謝罪と原因をお伝えするだけではく、再発防止策までお伝えすることでご納得いただけるよう努めました」
面接では上記のように
具体的なエピソードを
付け加えながら話そう
企業研究していることもさりげなくアピール
こうした経験があり、御社の「顧客を大切にする」という姿勢に感銘を受けました。
御社の一員として、お客様と相対する業務の責任を背負い、お客様から選んで頂けるような人材になりたいと考えております。
以下のように企業研究しないとわからない情報を付け加えることで志望度の高さもアピールできます。
「こうした取り組みからも本当の意味で『顧客第一主義』な企業だと思います。」
面接での伝え方を工夫
すれば、仮に平凡な志望動機
でもあなたの熱意は伝わる!
面接での志望動機の聞かれ方
上記のようにESには書ききれなかったことも補足しながら志望動機を伝えると、面接官からさまざまなことを質問されます。
あくまで一例ですが、シミュレーション形式で解説します。
その会社を志望する理由を深堀りされる
「弊社の理念に共感した」とのことですが、他にも顧客を大切にしている企業はあります。
その中で弊社である理由はありますか?
言い方を変えれば「それ
なら他の企業でもよいの
では?」ということ。
以下のポイントを盛り込むと、「御社だからこそ志望している」という姿勢が示せます。
- 志望企業の強み
- 志望企業ならではの特徴
- 同業他社と比較してどうか
実際の回答事例を紹介します。
御社である理由は、理念がサービスに反映されているためです。
顧客を大切にするという観点でいうと、御社ではアフターサポート制度はもちろん、顧客からの声を包み隠さずサイトに掲載するなどお客さまを中心にサービス展開しているように思います。
ここまでやられているのは業界内でも御社だけです。
単に理念を掲げるだけではなく、実際にサービスに落とし込まれていることに一貫した説得力を感じるためです。
志望動機に「志望企業
だからこそ」、「志望企業
ならでは」は必要不可欠
他のエピソードを聞かれる
「一度失ってしまった信頼を取り戻すことの方が更に難しい」とありますが、実際に失ってしまった信頼を取り戻したエピソードがあれば教えてください。
志望動機に絡めたエピソードを詳しく聞かれるケースがこれにあたります。
あなたが経験したことを
深堀りしてくれるのは興味を
持ってくれている証拠
コールセンターのアルバイトの際に扱っている製品の不具合でお叱りを受けたことがあります。
とても温度感が高かったため、本部へ連携し、お客様から頂いた内容を報告。
1日かけて対応方針を一緒に検討しました。
その上で、再度そのお客様へコンタクトを試み、謝罪とともに原因や再発防止策をお伝えした結果、「とても誠意ある対応をありがとう」と感謝の言葉をいただくことができました。
エピソードを深ぼられたときは、具体的な数値や他者からの客観的な評価を入れると効果的です。
数字や他者からの評価が
あると信頼性も増し、面接官も
イメージしやすくなる
なぜその職種を志望するのかを聞かれる
私が御社の営業職を志望する理由は、顧客から一番近いところで会社に貢献できるからです。
御社の営業職は法人向けの新規開拓がメインだと説明会で伺いました。
御社の製品の魅力をまだ知らないお客さまへどのように伝えるのか創意工夫の余地があると同時に、売上という点で会社に貢献できる点に魅力を感じます。
コールセンター業務で培った「交渉力」や「お客様の声に耳を傾ける力」を営業に生かしていきたいです。
もちろん他にも面接官からは様々な質問や確認をされると思います。
大事なのは自分の言葉で志望動機を深ぼったり、補足情報を付け加えながらあなたの良さをアピールすること。
志望動機に限らないけど
面接ではESに書いてない
情報こそしっかり伝えよう
まとめ:面接での志望動機の答え方と聞かれ方
面接での志望動機の効果的な伝え方から面接での志望動機の聞かれ方まで解説してきました。
以下の表の通り、ESと面接ではそもそもの立て付けが異なります。
ES | 面接 | |
伝え方 | 文字 | 会話 |
聞かれ方 | 志望動機記入欄 | 面接官によってさまざま |
コミュニケーション方向 | 一方通行 | 双方向 |
情報量 | 少ない ESに書いた文字のみ |
多い 発言内容に加え態度や表情 |
情報変更 | × 記載内容が全て |
○ 追加/変更/補足が可能 |
面接では、具体例などで
補足しながら志望動機を
伝えるようにしよう